日本の転職活動では馴染みのない文化だから、書き方がわからないな…。
こんなお悩みを解決する記事です。
アメリカ在住歴10年の僕が、カバーレターの書き方を解説。サンプルも無料で配布するので、本記事を参考に外資系転職で役立つカバーレターを作りましょう。
かんたんな自己紹介
アラサー男子 in L.A.
2014年:単身渡米
2017年:現地企業を辞めて大学院に入学
2019年:経営学修士(MBA)取得
現在は妻と2人ロサンゼルス郊外で生活中
なお、英文履歴書の書き方については下記記事で詳しく解説しているので、こちらも合わせて読んでいただければ幸いです。
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本記事のもくじ
「カバーレター」英語での書き方を解説
さっそくですが、カバーレターの基本的な書き方は次の通りです。
英文カバーレターの例
- 名前、連絡先、日付
- 挨拶一文
- 本文①(Opening)
- 本文②(Body)
- 本文③(Closing)
- 結びの挨拶、署名
ひとつずつ詳しく解説しますので、下記をどうぞ。
名前、連絡先、日付
カバーレターの最上部には、自分の名前、連絡先、日付を書きます。
左寄せでも、中央寄せでもOK。特に決まったフォーマットはありません。
郵送で履歴書を送る場合
カバーレターと履歴書を封筒に入れて郵送する場合は次のように書きます。
Taro Yamada
Yamada Building #101, 1-23 Shibuya
Shibuya-ku, Tokyo 150-0000, Japan
+81 90-1234-5678
taroyamada@gmail.com
Ms. Hanako Suzuki
ABC Corporation
Suzuki Building, 1-23 Shinjuku
Shinjuku-ku, Tokyo 160-0000, Japan
自分の名前、フル住所、電話番号、Emailを書いたら、その下に送り先も記載しましょう。
なぜメール添付の場合と郵送の場合で書き方が違うのは、正直よくわかりません…。ですが、書き方が違うことだけは確かなので、応募先企業の指定に沿って、適宜使い分けてみてください。
挨拶一文
挨拶一文の書き方は、条件によって幾つかのパターンに分けられます。
- 条件①:採用担当者のフルネームがわかっている場合
- 条件②:採用担当者の苗字・性別がわかっている場合
- 条件③:採用担当者の名前がまったくわからない場合
条件①:採用担当者のフルネームがわかっている場合
採用担当者のフルネームがわかっている場合は、Mr.、Ms.などの敬称を書かずにフルネームだけを記載します。
例)Dear John Smith,
仮に、フルネームと性別の両方がわかっていても、この場合はMr.、Ms.などは書きません。
「Dear + フルネーム」が使えるなら、これが一番フォーマルかつ、相手にも良い印象を与えられるので、募集要項や企業のWebサイトに採用担当者の名前が書いていないかを確認することをおすすします。
条件②:採用担当者の苗字・性別がわかっている場合
採用担当者の名前は不明だが、苗字・性別がわかっている場合は、Mr.、Ms.と苗字を書きます。
例)Dear Mr. Smith,
なお、使用する敬称は、男性ならMr.、女性ならMs.です。
Mrs.、Miss.は、相手の結婚ステータスがわからない限り、使用は避けたほうが安全です。あと、言い回し的にも、Mrs.、Miss.は古いので、基本的にあまり使いません。
条件③:採用担当者の名前がまったくわからない場合
最後に、採用担当者の名前がまったくわからない場合。この場合は次のように書きます。
例)Dear Hiring Manager,
避けたほうが良い表現
たまに、「Dear Sir/Madam」や「To Whom It May Concern」という表現を紹介しているブログ記事を見かけますが、アメリカ在住10年の僕からすると、これらの表現はかなり古臭く聞こえるというか…、感覚的には「拝啓、〇〇殿」みたいに聞こえます…。
よって、これらの表現は避けつつ、相手の名前が分からないときは「Dear Hiring Manager」で統一したほうがいいのかなと思います。
本文(①Opening、②Body、③Closing)
本文はざっくりと、3つの構成(Opening、Body、Closing)に分けるとスマートだと思います。ひとつずつ解説しますね。
本文①:Opening
本文の書き始め(オープニング)は、採用担当者の注意を引きつけつつ、簡潔に自己紹介をし、応募先の企業に対する熱意を表現するチャンスです。
なぜ、その仕事と会社に応募したのか、募集ポジションが自分のキャリア目標とどのように関連しているのかを明記しましょう。
Openingの書き方(例)
As a passionate attendee of numerous events organized by Company ABC, I was elated to stumble upon the opening for an event manager – a role perfectly aligned with my skill in fostering brand visibility and driving progress.
訳)貴社Company ABCが主催するイベントに参加してきた経験から、イベントマネージャーの募集要項を拝見し、ブランド認知向上と進捗推進という、私のスキルと合致する役割に出会えたことに喜びを感じています。
本文②:Body
本文ボディでは、募集職種と自分のこれまでのキャリアを照らし合わせつつ、もっとも関連性のある経験について書きましょう。
過去にどんな仕事をしてきたか、どんな具体的スキルを持っているか、それらの経験が採用企業に対して、どのように役立つかを1、2段落程度で説明します。
Bodyの書き方(例)
The experience I gained in my previous position as a [前職の役職] at [前職の会社] was incredibly enriching and educational. In my capacity as a [前職の役職], my role encompassed [仕事内容]. Furthermore, I actively supported the team by [仕事内容]. My tenure at [前職の会社] was gratifying due to [前職でやりがいに感じていたこと]. Among my notable achievements, while collaborating with the [前職の会社] team, I am particularly proud of [前職で最もアピールできる実績].
訳)[前職の会社] での [前職の役職] としての経験は非常に充実しており、多くのことを学びました。[前職の役職] としての私の役割としては、主に [仕事内容] が挙げられます。さらにチームをサポートするなかで、[仕事内容] も致しました。[前職の会社] での在職期間は、[前職でやりがいに感じていたこと]のために充実していました。[前職の会社]のチームと協力した際の私の注目すべき業績の中で、特に誇りに思っているのは、[前職で最もアピールできる実績]したことです。
こんな感じです。
Bodyに関しては、役職やポジションによって内容が大きく異なると思います。
上記の例がそのまま使えない仕事をしている人もいるかもしれませんが、その場合は、日本語で書いてChatGPTなどで英訳するとかでも全然大丈夫だと思います。
本文③:Closing
クロージングの段落では、まず何よりも、カバーレターを読んでもらったことに対するお礼を書きましょう。
続いて、募集職に対する自信と、面接でお会いしましょうという熱意みたいなものを添えれば完璧です。
Closingの書き方(例)
Thank you for your time and consideration. I’m confident my event managing skills and previous experiences make me an excellent candidate for the position. I look forward to meeting with you soon to discuss my qualifications in more detail.
訳)最後までお読みいただき誠にありがとうございます。私のイベント運営スキルとこれまでの経験が、貴社にとって役立つ自信がございます。より詳細にお話しするため、近日中にお会いできることを楽しみにしています。
結びの挨拶、署名
カバーレターの最後は、結びの挨拶と署名で締めます。
結びの挨拶は「Sincerely」が、もっともフォーマルだと思いますが、下記の言い換えでもOKです。
結びの挨拶で使えるフレーズ
- Regards
- Best
- Respectfully
- Thank you
- Thank you for your consideration
手紙では、Cheers、Yours Trulyなども使われますが、ビジネス文書であるカバーレターではカジュアルすぎる言い回しになってしまうので避けたほうが無難です。
カバーレターのサンプルダウンロードはこちら
上記で解説したカバーレターのサンプルを用意しました。よろしければ下記よりダウンロードして使ってください。
» カバーレターのDLはこちら(GoogleDriveが開きます)
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カバーレターと履歴書の違い→「添え状」
日本の転職市場では馴染みがないため、たまにカバーレターと履歴書を混同してしまう人がいます。
アメリカの転職シーンにおける、カバーレターと履歴書には明確な違いがあるので、ここではっきりさせておきましょう。
カバーレターの役割
カバーレターの役割を一言で言えば「添え状」です。
もっと簡単に言い換えれば「履歴書に添えるお手紙」みたいなものです。
カバーレターと履歴書の違い
つまり、カバーレターと履歴書の違いは次のように言えます。
- カバーレター:熱意や情熱を伝えるための手紙
- 履歴書:職歴・学歴、スキルセットを伝える書類
カバーレターだけで採用選考が決まるわけではありません。しかし、カバーレターには「その企業に本気で入社したい!自分にはこんなスキルがある!」という想いを伝える重要な役割があります。
「ビジネスマナーとして、履歴書に添えておけばいいんでしょ?」ではなく、自分の熱意を相手に伝えるための重要なツールであると覚えておきましょう。
なお、カバーレターと同封する英文履歴書の詳しい書き方については、英文履歴書の正しい書き方を参考にしてみてください。
採用担当者の刺さるカバーレターとは
採用担当者の心に刺さるカバーレターの書き方についても解説しておきます。
大学院のキャリアカウンセラーからのアドバイスの受け売りになってしまうのですが、下記をご参照あれ。
リサーチしたことが感じられるカバーレター
日本の就職活動では面接時に「我が社を希望した理由は何ですか?」と聞かれると思いますが、要はこの質問に先回りしてカバーレター上で答えておきましょうということです。
そのキャリアカウンセラーは過去に企業で採用担当もしていたそうなので、個人的に彼の言葉には信ぴょう性があると感じています。実際に、僕もその言葉を意識してカバーレターを書いたところ、80%以上の書類選考を通過したので参考にしてみてください。
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まとめ:カバーレターでは熱意を伝えよう
本記事は以上です。
カバーレターは応募企業への熱意と自己PRを盛り込んだ手紙です。
宛名は採用担当者名になっているか、簡潔に自己紹介ができているか、相手企業について事前リサーチしたことが伝わるか、などの点を気に掛けつつ、相手の心に刺さるカバーレターを書きましょう。
おわり。