アメリカに旅行するんだけど、消費税っていくらなんだろう?
オレゴン州って消費税かからないって聞いたけどホント?
旅行するだけだし、免税にならないのかな??
こんな疑問をお持ちですか?
本記事では、アメリカ在住歴9年の僕が、現地アメリカの消費税について徹底的に解説します。
僕の経歴
アラサー男子 in L.A.
2017年:現地企業を辞めて大学院に入学
2019年:経営学修士(MBA)取得
現在は妻と2人ロサンゼルス郊外で生活中
【前談】アメリカに消費税はありません
本題に入る前に、いきなりショッキングな事実です。
冒頭で「アメリカの消費税を解説する」とお伝えしましたが、厳密に言えば、アメリカには「消費税」は存在しません。
一般的に、日本の消費税にあたる税金を、アメリカでは「小売売上税(Sales Tax)」と呼んでいます。
アメリカに消費税は存在しない。
小売売上税が、日本でいうところの消費税に近いもの。消費者が商品を購入したり、サービスを受けた際に支払われる税金。
ただし、説明と理解がめんどくさくなりそうなので、本記事では「消費税 = 小売売上税(Sales Tax)」として解説していきます。
消費税と小売売上税の違いを詳しく知りたい人は、記事の最後で解説しているのでそちらをどうぞ。
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本記事のもくじ
【アメリカの消費税】税率は州によって異なる
日本では、2019年10月1日に消費税率引き上げが施行されましたね。
それに伴って軽減税率制度が導入されるなど、消費税にまつわる環境が一気に変わりました。
コンビニでおにぎりを買っても、店内のテラス席で食べるイートインと、持ち帰りのテイクアウトでは税率が変わったり、軽減税率が適応される対象品目が細かく定められたりと、ゴタゴタしていた印象です。
(僕はアメリカにいたので、ニュースで見ただけですが…笑)
それでも、日本の消費税は全国一律です。
どの県に行っても、どの店で買い物をしても税率が変わることはありません。
では、アメリカはどうなのかと言いますと、アメリカでは、州、群、市によって別々の税率が設定されています。
つまり、1.75ドルのコーラを買ったとしても、購入する街によって掛かる消費税が変わってくるというわけです。
例)コンビニでアイスを買う
例として、コンビニでアイスを買うとしましょう。
上記は、ハリウッド近くにあるセブンイレブンと、エンゼルスタジアム近くのセブンイレブンですが、ハリウッドはロサンゼルス郡、アナハイムはオレンジ郡になるので、当然、消費税も変わってきます。
ちなみに、ハリウッドで買い物をした場合の消費税は9.50%、アナハイムだと7.75%でして、内訳は下記の通りです。
ハリウッドの消費税
カリフォルニア州 | 7.25% |
ロサンゼルス郡 | 2.25% |
ハリウッド市 | 0.00% |
合計 | 9.50% |
アナハイムの消費税
カリフォルニア州 | 6.00% |
オレンジ郡 | 0.25% |
アナハイム市 | 0.00% |
Local and District Tax | 1.50% |
合計 | 7.75% |
※ Local and District Taxとは、ブラッドリー・バーンズ統一売上税法に基づいて課せられる売上税および使用税の総称です。詳しくは、Local and District Taxes(カリフォルニア州公式ページ)をご覧ください。
というわけで、観光でロサンゼルスを訪れた場合、ハリウッドで遊んだ日にセブンイレブンで買うハーゲンダッツと、エンゼルスの試合を見に行った帰りに買うハーゲンダッツでは、値段が違うことになります。
小さな違いですが、これを覚えておくと、少しだけお得かななんて思ったりです。
Sales Tax 州ごとに比較してみる
アメリカには50州あります。
それぞれのSales Taxの税率を下記にまとめました。表示額は、調査日(2019年12月1日)のものです。
アメリカ50州(A-Z順) | 州 税率(State Tax) | 地方勢(Local Tax) |
Alabama | 4.00% | 0.00〜9.00% |
Alaska | 0.00% | 0.00〜7.85% |
Arizona | 5.60% | 0.00〜7.30% |
Arkansas | 6.50% | 0.00〜5.50% |
California | 7.25% | 0.00〜3.25% |
Colorado | 2.90% | 0.00〜8.30% |
Connecticut | 6.35% | 0.00〜1.00% |
Delaware | 0.00% | 0.00% |
District of Columbia | 6.00% | 0.00% |
Florida | 6.00% | 0.00〜2.50% |
Georgia | 4.00% | 1.00〜5.00% |
Hawaii | 4.00% | 0.00〜0.50% |
Idaho | 6.00% | 0.00〜3.00% |
Illinois | 6.25% | 0.00〜4.75% |
Indiana | 7.00% | 0.00% |
Iowa | 6.00% | 0.00〜2.00% |
Kansas | 6.50% | 0.00〜5.00% |
Kentucky | 6.00% | 0.00% |
Louisiana | 4.45% | 0.00〜7.75% |
Maine | 5.50% | 0.00% |
Maryland | 6.00% | 0.00% |
Massachusetts | 6.25% | 0.00% |
Michigan | 6.00% | 0.00% |
Minnesota | 6.875% | 0.00〜2.00% |
Mississippi | 7.00% | 0.00〜1.00% |
Missouri | 4.225% | 0.50〜7.454% |
Montana | 0.00% | 0.00% |
Nebraska | 5.50% | 0.00〜2.00% |
Nevada | 6.85% | 0.00〜1.415% |
New Hampshire | 0.00% | 0.00% |
New Jersey | 6.625% | 0.00% |
New Mexico | 5.125% | 0.125〜7.75% |
New York | 4.00% | 0.00〜5.00% |
North Carolina | 4.75% | 2.00〜3.00% |
North Dakota | 5.00% | 0.00〜3.00% |
Ohio | 5.75% | 0.00〜2.25% |
Oklahoma | 4.50% | 0.00〜7.00% |
Oregon | 0.00% | 0.00% |
Pennsylvania | 6.00% | 0.00〜2.00% |
Puerto Rico | 11.50% | 0.00% |
Rhode Island | 7.00% | 0.00% |
South Carolina | 6.00% | 0.00〜3.00% |
South Dakota | 4.50% | 0.00〜8.00% |
Tennessee | 7.00% | 1.50〜2.75% |
Texas | 6.25% | 0.00〜2% 1.75% リモート販売へ適用 |
Utah | 4.85% | 1.00〜7.50% |
Vermont | 6.00% | 0.00〜1.00% |
Virginia | 4.30% | 1.00〜2.70% |
Washington | 6.50% | 0.50〜4.00% |
West Virginia | 6.00% | 0.00〜1.00% |
Wisconsin | 5.00% | 0.00〜1.75% |
Wyoming | 4.00% | 0.00〜4.00% |
このように、州税率とそれぞれの郡や市の税率がプラスされた合計が、最終的な消費税の金額になります。
日本の消費税が10%(軽減税率適用ケースでは8%)なので、以外にもアメリカ全体で見ると、日本よりも少し安いところが多いですね。
Amazonとかはどうなるの?
ここで、疑問に感じた人もいるかもしれませんが、Amazonなどの通販で買い物した場合は、届け先(つまり住所)で適用されている消費税が課されることになります。
例えば、ロサンゼルスに住んでいて、職場がアナハイムの場合だと、自宅に配送される商品は9.50%の消費税。職場に配送されれば、同じ商品でも7.75%というわけです。
職場で個人の荷物を受け取ってよければ、そのほうが少しだけお得ですね。
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アメリカの軽減税率措置は?
ここからは、アメリカの軽減税率を解説です。
日本では、イートインで8.00%、テイクアウトで10.00%のように税率が変わりますが、アメリカにこのような仕組みはなく、商品ごとに減税措置が取られています。
とりわけ、減税措置の対象となる商品は生活必需品が多く、食糧・医薬品・衣類などは州によって減税だったり、一切掛からない州もあります。
生鮮食品に関しては、カリフォルニアも消費税が掛かりません。
少し混乱しそうですけど、わかりやすく言えば、スーパーのお惣菜コーナでスープを買うと消費税がかかるけど、家でスープを作るようの野菜やお肉を買うなら消費税は掛からない、みたいな話です。
お惣菜:加工された食品
野菜やお肉:加工されていない食品
こんなイメージですね。
これについて、もう少し詳しく解説します。
【軽減税率の適用例】生鮮食品は免税、加工食品は課税
もう一度、カリフォルニア州の軽減税率を例に挙げますね。
カリフォルニア州では、食料品は免税対象、加工食品は課税対象です。
先ほど、お惣菜と野菜・お肉を例に挙げたので、別の具体例を挙げてみます。
【軽減税率の具体例】カリフォルニア州の場合
レストランで、サラダを注文 → 課税
生野菜は、加工されていないの食料として捉えられます。つまり、免税。
サラダは、生野菜を加工した食べ物として捉えられます。つまり、課税。
なんとなくイメージできましたか?
ちなみに、課税・非課税のルールは、州や市によっても異なります。
アメリカ人でも、税理士じゃない限り、すべての州の税率や軽減税率の仕組みは理解していません。
もし気になる人がいたら、訪れる地域の税金ルールだけ覚えておけばいいと思います。
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消費税ゼロの州はどこ?【大きな買い物をするなら、この州】
先ほど、一覧で表示しましたが、改めて消費税がかからない州をまとめました。
アメリカ国内で、消費税ゼロの州は下記の通りです。
消費税ゼロ:5州はここ
- オレゴン州
- モンタナ州
- ニューハンプシャー集
- デラウェア州
- アラスカ州
金額の大きな買い物をするなら、これらの州が圧倒的にお得です。
ヴィトンのバッグとか買ったら、消費税だけで大きな違いが出ますからね。
観光客向け減税措置もある【観光客に優しい州はここ】
諸費税がゼロなわけじゃないけど、海外からの観光客向けに減税措置をしている州もあります。
行くならここ行け
- テキサス州
- ルイジアナ州
テキサスとルイジアナでは、観光客向け減税措置の恩恵が受けれます。
減税の手続きは空港の出発ロビーで可能なので、滞在中の買い物では必ずレシートを受け取り、帰国まで手元に残しておきましょう。
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【まとめ】アメリカの消費税は複雑(補足あり)
本記事は以上です。
アメリカの消費税の仕組みは、かなり複雑です。
とはいえ、全部覚えている人はいません。いたとしても、相当マニアックな人か税理士くらいです。
日本からアメリカに来る際は、滞在先の消費税だけ覚えておけばいいと思うので、本記事を参考にどうぞ。
【補足】消費税と小売売上税の違い
最後に、消費税と小売売上税の違いをサクッと解説して終わりたいと思います。
小売売上税(Sales Tax)
小売業者から消費者への販売時にのみ課せられる税金
製造元→卸業者→小売業者における取引では課税されない
消費税
製造元→卸業者→小売業者→消費者まで、すべての段階で課税される
ちなみに、アメリカでスモールビジネスが成功しやすいのも、この税金制度にあると言われています。
設立当初の小さな企業にとって納税は大きな障壁ですからね。
おわり。