その前に留学しなきゃ。
語学留学のあと、アメリカで就職できるのかな。
本記事では、上記のお悩み解決に向けて、アメリカで合法的に働けるOPTという制度をわかりやすく解説します。
アメリカで合法的に働くためには、何かしらの就労ビザを所得しないといけませんが、OPTを使えば、学生ビザで滞在していても合法的に働くことができます。
留学しても、その後のビザについての知識が乏しいと、途中帰国せざるを得なくなったり、アメリカで就職先が見つかっても、やっぱりビザが下りなくてアメリカに居続けられない、という壁にぶち当たります。
アメリカ国内の就労ステータス獲得は、学歴や仕事での努力とは切り離して考えるべきなので、アメリカの大学に進みたい、将来アメリカで就職したい、という夢があるならOPT制度についてぜったい知っておくべき内容です。
本記事では、OPTの申請条件から手続き方法まで、経験者の僕が全て解説しているので、アメリカ留学から現地就職を目指している方は参考にどうぞ。
僕の経歴:留学からOPT取得経験者です
本題に入る前に、僕の経歴を簡単に紹介しておきます。ざっくりと下記の通り。
2014年:研修ビザ(Jビザ)で単身アメリカへ。現地生活の中でMBA(経営学修士)取得の重要性を知る
2017年:思い立って学生に転身、ロサンゼルス郊外のビジネススクール(大学院)に入学
2019年:晴れてビジネススクール卒業。MBAの学位とともにOPT取得
こんな感じで、僕もOPT取得経験者なので、本記事の信頼性は高いと思います。
基礎知識:OPT?何それおいしいの?
アメリカの短大、大学、大学院の学生として修学課程に在学中、または満了した後に就労することができる制度。
ポイントは “学生ビザでも働ける制度” というところでして、先述のとおり、アメリカで働くためには取得のハードルがめちゃくちゃ高い就労ビザが必要ですが、OPTを使えば比較的取りやすい学生ビザでも合法的に働くことができます。
アメリカで大学留学をした後に現地企業に就職しつつ、アメリカに住み続けている日本人の多くは、このOPT制度を利用しているので、これから「留学 → 就職」のロードマップを進んでいきたい人にはおすすめのプログラムと言えます。
まさに、教えは先人に習えですね。
スポンサードサーチ
【OPTとは】アメリカ留学から就職を勝ち取るための基礎知識
ということで本題です。
アメリカのビザの問題と、就労条件の基礎知識を知りつつ、OPT取得を目指しましょう。
知っておくべき内容は下記の通り。
- 学生ビザによる滞在条件:留学生はバイトもできません
- OPTの基礎知識:学生でも働けます(種類は後述)
- OPTの取得条件:短大以上を卒業しましょう
1. 学生ビザによる制限【留学生は働けない】
学生ビザ(F-1 VISA)でアメリカに滞在している場合、一般企業で働くことはできません。
もちろんバイトもできないので、お金には本当に苦労します。
ぶっちゃけると、不法で就労している人もいますが、バレたら強制国外退去、その後10年くらいはアメリカに入国できないので、かなり重い罰を受けることになります。
2. OPTなら合法的に働ける【抜け道】
そんな、就職やバイトができない留学生でも、在学中、または卒業後に働けるステータスこそがOPTになります。
OPTが存在する目的は、専攻分野に関連した職種で企業研修を行い、実践を通じてさらに知識を高めることですが、OPT制度を取得して、採用企業に気に入ってもらえれば、そのまま本格採用を期待できるので、将来アメリカで働きたいと考えている留学生にとっては、取得して損はない制度と言えます。
3. OPTの種類【在学中か卒業後か】
OPTには2つの種類があります。下記の通り。
2種類のOPT:ビミョウに違う
・Post-Completion OPT →卒業後に働ける
違いや特徴をそれぞれ解説します。
Pre-Completion OPTとは:在学中に働ける
Pre-Completion OPTを取得した場合、授業がある学期中は週20時間まで働くことが可能です。
さらに、夏休みなどの長期休暇中は週40時間まで働くことができるので、勉強しながら働きたい人にはおすすめです。
Post-Completion OPTとは:卒業後に働ける
いっぽう、Post-Completion OPTは、学校を卒業した後にもらえるOPTでして、こちらはいきなりフルタイム(週40時間まで)働けるようになります。
学校を卒業するまでは働くことができないですが、現地就職を目指す留学生が一般的に取得するのが、こちらのPost-Completion OPTなので、将来的にアメリカに住み続けたい人は要チェックしておくべき制度です。
4. OPTは学位・専攻ごとにもらえる
OPTのステータスは学位レベル、または専攻ごとに取得することができます。
つまり、短大から大学院まで通うケースでは、最大で3回のOPTが可能ということです。(下記参照)
OPTは最大3回まで取得できる:具体例で解説
1〜2年目:短期大学(コミュニティカレッジ)で2年間勉強
3年目:短大卒の資格(準学士号)を取得して1年間OPTで働く
4〜7年目:学生に戻り、4年制大学に進学。4年間過ごす
8年目:大学卒業後(学士号)、1年間のOPTで働く
9〜10年目:大学院に進学して修士号を取得
11年目:1年間のOPTで働く
こんな感じで、学位ごとに毎回OPTを取得することが可能。
また専攻を変え続けてずっと学生を貫き通す場合は、その都度新しいOPTを申請できます。
たとえば、ずっと短大に通い続け、1回目の専攻は経営学、その次は言語学、続いてコンピューターサイエンス、、、みたいに、専攻を変えて、その都度OPTを取得する感じです。
システム上は可能ですが、この場合、学費を半永久的に払い続けることになるので、たぶん一生貧乏生活です。しかも、最終学歴も永久に短大卒のままです。
ということで、あまり現実的ではないですね…。
5. OPTの注意点:OPTを最大限活用する方法
学生ビザでも、合法的に1年間の就労ステータスがもらえるOPTですが、ひとつ大きな注意点があります。
つまり、在学中に「Pre-Completion OPT」で半年間働いた場合、卒業後にもらえる「Post-Completion OPT」は1年ではなく、6ヶ月になってしまうということ。
これの何が注意なのか。その理由は下記の通りです。
- 在学中に企業Aで6ヶ月働く(この時点で残されたOPT有効期限はあと6ヶ月)
- 卒業後に企業Bで6ヶ月働く(これでOPTを使い切る)
こんな感じになってしまうと、企業Bで働いている期間が短くなるので、就労ビザを取得する準備期間も短くなってしまいます。
となると、企業の採用者が自分を必要としているか判断できる前にOPTの期限が切れてしまったり、採用が決まったとしても就労ビザの書類や申請の準備をしているうちにOPTが切れてしまうことにも繋がりかねません。
学生ビザから就労ビザへの切り替えには長くて1年くらいかかることもあるので、アメリカ永住につなげていきたいのであれば、「Pre-Completion OPT」は使わず、卒業後まで保留しておいた方が得策ということですね。
スポンサードサーチ
OPTの申請条件と取得手順
OPTの基礎知識を身につけたら、取得方法を覚えておきましょう。
ここからは、取得の条件とプロセスの流れを解説します。
1. OPTを申請する際の条件
OPTの申請条件は下記の通り。
OPTの申請条件
・学位(准学士号、学士号、修士号)が取得できるような学校に通っている(語学学校は申請不可)
この2つの条件さえクリアしていれば、OPTの申請は可能です。
【OPT取得条件】残念なお知らせ
質問してる人
アラサー男子 in L.A.
【悲報】語学学校を卒業してもOPTは取れません
残念ながら、語学学校で英語を勉強しているだけではOPTの取得はできないので、アメリカが認める短大以上の学校で学位取得が必須です。
語学学校から短大に編入は可能なので、まずはそこから目指すことをおすすめします。
2. OPT取得までの手順
OPT取得までの手順は大きく分けて下記の4ステップ。
OPT取得の4ステップ
2. 雇用先を見つける【就活】
3. OPTカードが届く
4. 就労先から書類を提出する
上記の手順を卒業前の2~3ヶ月の間に済ませれば、卒業後にすぐOPTを開始できます。
1. OPTの申請をする【卒業の2−3ヶ月前がベスト】
OPTを申請してから受理されるにには最長90日間かかるので、卒業の2ヶ月から3ヶ月前に始めるのがベストです。
というのも、学校卒業後にアメリカ国内に滞在できる期間は60日間なので、卒業ギリギリで申請を開始した場合、それまでに間に合わない可能性があるからです。
何ごとも余裕を持って進めるほうが安心ですよね。
OPTの申請に必要な書類
OPT申請時に提出する書類は下記の通り。
・I-20 → 学校から発行される在学証明書(入学前に学校から発行されます)
・I-94 → アメリカ出入国記録(米国政府の公式サイトから手配します)
・OPTカード用の証明写真(近くの薬局などで撮影しましょう)
・パスポートのコピー
・学生ビザのコピー
・申請費用 $410(※2020年3月現在はこの価格です)
上記をアメリカ合衆国国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security)あてに送れば申し込みは完了です。
書類作成方法や送付先の情報は、学校のカウンセラーがよく知っているはずなので、わからないことは相談しつつ余裕を持って進めましょう。
2. 雇用先を見つける【就活】
申請書類を提出したら、卒業までの間に就活です。
アメリカにもリクナビみたいな就活用サイトがあるので利用したり、indeedで探したり、飛び込みで就労先を探したり、方法はたくさんあります。
ここで求められるのは何よりも行動力なので、とにかく動きまくって就職先を見つけます。
OPTカードが発行されてから90日以内に仕事が見つからなければ、OPTステータスは無効になってしまうので、早めに見つけておいた方が安心ですね。
補足:レジュメ(履歴書)を作っておこう
就活にはレジュメ(履歴書)が必須です。
カバーレターとともに希望の就職先に提出する必要があるので、この時期までに作っておくと就活がスムーズに進みます。
アメリカの履歴書作成方法は下記の記事で詳しく解説していますので参考にどうぞ。
【英語の履歴書】レジュメ・カバーレターの解説記事

3. OPTカードが届く
申請が受理されたら、OPTカードが郵送されてきます。
僕の場合は90日ギリギリで届きました。同時期に申請した友だちは30日で届いたりしていたので、正直焦りましたが、これも運なのでやっぱり余裕を持った準備はとても大切です。

【実物】OPTカード
OPTを申請し受理されるともらえる実物のOPTカードです。
常に携帯する必要はないですが、このカードがOPTを取得したというステータス証明なので管理には要注意です。
パスポートやビザの書類と一緒に大切に保管しましょう。
4. 就労先から書類を提出する
OPTカードが届き、就職先も決まったら、受け入れ先企業からオファーレター(就職を証明する書類)とOPTカードのコピーを学校に提出して手続きは完了です。
OPTの受け入れ先が決まったら、オファーレターを書いてもらえるように受け入れ先企業にお願いしておくことを忘れないようにしましょう。
OPT申請の方法は上記の通り。
どの学校も大きな違いはないはずですが、就学先の学校によって少しだけ申請方法が違うケースもあるので、詳細は学生センターなどで、カウンセラーに確認することをおすすめします。
スポンサードサーチ
アメリカ留学から就職&永住は夢じゃない
本記事は以上です。
将来アメリカに住んでみたい、留学して就職してみたいと考えている方は、さっそく行動に移してみましょう。
どれだけネットで情報を調べても、実際に行動から得られる体験に勝るものはありませんので。
日本からでもアメリカの留学先を探せるサイトや紹介サービスはたくさんあります。
無料相談に申し込んだり、経験者の意見を聞いたりするだけで、夢が現実的な目標になったり、今やるべきことが見えてくるはずです。
アメリカ留学相談ができるサイトなら スマ留 が断然おすすめ。
なんと、費用が他の留学サポート会社と比べて最大半額です。
相談無料なので「まずは話だけでも聞いてみたい」という方でも安心して申し込みできます。

「留学」→「OPT」のロードマップでアメリカ生活を楽しみましょう。
それでは。